GEO KYOTO OIKEDORI

京都河原町御池通に建つ分譲地マンションの企画+デザイン監修を担当しました。
デベロッパーのグループ所有地であった事や京都河原町御池という立地から、揺るぎない誇りと責任を持った正しい建築をデザインすべきと考えました。前職でマンション設計を多数行った経験上マンション特有のデザインコード(バルコニーの鼻先のマリオンと呼ばれる壁をいかにデザインするか)は使わない。というルールを自ら課しました。分譲マンションの市場で商品として競争するのではなく、あくまでも美しい建築、年月を経ても劣化しない、むしろ経年が味わいになるデザインを心掛けることがその責任を果たす事なのだと考えました。それは街並みを形成するファサードのマクロなデザインからソファの座り心地などのミクロで人の感情に関わるところまでを途切れる事なく計画し頑なにポリシーを曲げない事を意味しています。
外光の少ないラウンジ空間には遠く京都の山々の自然に思いを馳せるようにと京都綾部から「ハタノワタル」さんと、ライティングデザインは同じく京都を拠点に活動する「BRANCH LIGHTING DESIGN 」と共にデザインしました。その他レンガタイルの採用や自然の土に落ちた木漏れ日をイメージしたタイルカーペットを「島あゆみ」さんにお願いし、使えば使うほど美しくなるものばかりで構成しています。またソフト面では京都のクリエイティブファーム「マガザン」とアートギャラリーコーナーを提案。京都の芸大学生支援も視野に入れアートを購入等できるようにして入居者が社会貢献できる仕組みを組み込みました。
ステレオタイプで京都を表現するのではなく、変化やカルチャーをミックスしながら歴史を堆積してきた京都に相応しい、この地この場この環境この時代でしかできない回答になったと思っています。
このようにマンションデベロッパーの果たす社会的意味をこのプロジェクトでは少しだけ示せたと自負しています。
またこれらができたのはデベロッパー担当者の情熱と努力の賜物で感謝しています。
やはり最後は「人」「情熱」だ。
施主 阪急阪神不動産
企画+デザイン監修 ひとともり
照明計画 BRANCH LIGHTING DESIGN
和紙 ハタノワタル
カーペットデザイン 島あゆみ
金物 ルポゼ・クリエイション
突板 安多化粧合板
設計監理 アクセス都市設計
施工 メルディアDC