TSUKIHI 

福井県越前市
レストランの設計をさせていただきました。

当初、既に生産を始めていたワイナリーの別棟建物をレストランに改装したいというご要望でしたがどうもピンとこず、ワイナリー別棟は解体しワイナリーの中にレストランがあった方が魅力的だと提案させていただき実現しました。眺望確保の為ワイナリーの奥にレストランを配置する必要があったのでワイナリー脇に長い通路を確保しなくてはなりません。一見無駄なこの通路ですが、鉄骨の柱梁の繰り返されるインダストリアルゴシックな空間はアプローチ空間となり否応なくレストランへ期待感を高めてくれる印象的な空間となりました。薪ストーブのあるホワイエ、熾火やワイナリーの見えるホール席やカウンター席、個室は部屋として作らず、領域だけを与え構成する事で大きなワイナリーの中にいる事をゲストは感じることができます。

越前瓦のタイル、瓦の粉砕材を混入したテラゾー、地元杉の下地材で構成した窓カウンター、ブドウ畑のツル等を混ぜて漉いた越前和紙のアートピース。越前の蔵の解体材を石で叩き表情をつけたテーブルなどこの地この場所でしかできないものをこの地の作家さんや地元の方と共にデザインし造り上げました。

「月日」と名付けられたこのレストラン

日本人は曜日を自然物で名付けたんだと気付き感動しました。「月日」に火、水、木、金、土を加えて空間を構成しようと金物は真鍮の金をベースに特注し、大きな真鍮の照明シェードはこのレストランのシグネチャーでもあります。

私達そして福井や石川の仲間と作りあげたこの空間がシェフの長屋さんのクリエイションの舞台として相応しい場になる事を期待しています。

 

レストランディレクション: H3 food design 

設計監理: ひとともり 担当: 田所千絵

照明計画: BRANCH LIGHTING DESIGN

特注照明: NEW LIGHT POTTERY 

金物: atelier tuareg 

製作家具: ろくろ舎 Furnitureholic

和紙アート: 滝製紙所

瓦タイル瓦粉砕チップ: 越前セラミカ

ソファ: revery chair

椅子/テーブル: SyuRo

音響/スピーカー: listude

ローカルクリエイターディレクション: ろくろ舎

叩いて磨くテーブル作成: GOOD JOB CENTER

スタイリング: sKlo

グラフィックデザイン: PLANE

 

施工: 明光建商

 

撮影:河田弘樹