枸杞 新店

  1. 奈良町の町家の歴史あるファサードを保存改修しながら、新たな枸杞の空間をつくり上げた。

一号店で積み重ねてきた経験を振り返り、厨房の広さや動線、客席の居心地など、一つひとつの課題を解決していった。

空間の中心には、店の心臓部となる厨房を配置。エントランスを開けた瞬間、せいろから立ち上る湯気が来店者を迎え、そのライブ感が自然と食欲を掻き立てる。客席との間には特徴的な開口部を設け、料理人の所作や調理の熱量がそのまま空間体験となるよう計画した。食事をするだけではなく、料理が生まれる時間そのものを楽しめる中国料理店を目指している。

新たに設けた待合スペースには、ハタノワタル氏による和紙、中国の古家具、そして天津段通を組み合わせている。異なる文化や素材が、奈良町家という歴史ある建築の中で調和し、枸杞のアイデンティティとなっている。

一号店から受け継いだ盆栽に加え、以前から彼等が憧れていた listudeのスピーカーには、特別にハタノ氏が和紙を貼り込んだ。一つひとつの要素に想いを重ね枸杞らしい世界観をさらに深めている。

少しずつ歩みを重ねながら挑戦を続ける彼らの姿勢は、私たちにとっても大きな刺激であり続けている。その新たな一歩となる場所を再び共につくることができたことが何よりも嬉しく有難い。

 

設計監理 ひとともり 担当:田所千絵

照明計画 ヤマギワ

施工 嵩倉建設

和紙 紙漉きハタノ

スピーカー listude

サイン atelier tuareg 

造園 塩津植物研究所

撮影 河田弘樹