松屋本店

京都と奈良のちょうど中心に位置する城陽市に創業320年超の松屋はある。旅籠屋から始まり和菓子の製造販売を行う松屋は和菓子の領域を超え日本の菓子と名打ち、松屋本店をアップデートする。
アイデアが次々と浮かぶ4代目によって増え続ける菓子。その展示方法をシンプルに整理した。既存建物と空間を活かすよう表層はほとんど変えず、モルタルの長いカウンターとカテゴリーの違う商品を並べる棚、ブランドを示す箱の並ぶ棚だけを空間に配置し、光の質を向上させた。
長いカウンターにはまだまだ菓子を並べる余白があり、イートインスペースとしても機能する。4代目がこの新しいカウンターを次の世代にどのように引き継いでいくのか。400年、500年と続く菓子屋に相応しい改装となったと自負している。
CD/グラフィック:オフィスキャンプ東吉野:勝山浩二
設計監理:ひとともり 長坂純明 担当:田所千絵
照明設計:Branch Lighting Design
和紙:ハタノワタル
施工:嵩倉建設
撮影:河田弘樹