CINI GELATO

奈良町の古民家をジェラートショップにコンバージョンするプロジェクト
フードロス果物も視野に入れた素材に拘るジェラート店。我々はそんなお店に相応しい空間デザインを目指した。
店の奥と手前に奈良らしい(古く歴史的なものとラフで気楽なムード)二つの庭を設けた。奥の庭は見る庭として隣家の庭を引き込み奈良町の風情を連続させ、手前の庭は店のアプローチゾーンとしてラフな雑木を分け入るようにしお客様の期待感を上げている。それら二つの庭への視線を遮らないようなカウンターを店の中央に配置した。路地に面した妻壁には横長の開口部を新設。少しだけ見込みの深い下枠はイートインカウンターを兼ねつつ、路地を行く人とのコミュニケーションできるよう注意深く高さを決定している。
廃プラスチックからできた低い椅子、カーペットを作る際に捨てられる毛糸の端材、コンクリートPC製品の残コンクリートにて作ったコンクリートタイル。これらのカラフルさ、ポップさ、冷たさがジェラート店の個性を引き出すと同時にフードロス食材使用に取り組むオーナーの姿勢と呼応した空間となった。
設計監理 ひとともり 長坂純明 北川和正(アシスタント)
照明計画 大光電機 村西貴洋
施工 嵩倉建設
作庭 土屋作庭所