ROKUMEI BAKES

焼きたての香りと確かな建築素材が交差する、街の“ちょうどいい”ベーカリーカフェ。

奈良のロードサイド「ロクメイベイクス」のリノベーション設計を担当しました。

休日の朝に遅めのブランチを、美味しそうなパンの焼ける匂いを感じる空間をイメージしてデザインしました。

リノベーションの起点として、既存店舗に残された名残──シャビーな壁面、折り上げ天井に埋め込まれた間接照明、そして計画性に欠けた照明デザイン。それらを丁寧にそぎ落とし、パンのもつ温かさや香ばしさを、素材と色に置き換えていくことをデザインの主眼としました。

私達が選定したのはレンガと銅。パンの耳の色、オーブンの熱で焦げたクラスト。その焦げ色の美しさを、空間全体にちりばめるように設計しました。デザイナーから提出されたロゴやパッケージデザインのキーカラーとも連動し、ブランドとしての統一感を高めることに努めました。

今回、私達が提案した中で特筆すべきとすればインドアグリーンショップを「ショップ・イン・ショップ」として併設したことです。植物はレンタルで揃えるのではなく、グリーンショップ店舗をパン屋さんの中に併設する。しかも、賃料はゼロ。店舗オーナー間での柔軟な姿勢のお陰でこのアイデアが実現しました。

休日の朝。少しだけおしゃれをしたご近所の夫婦や、子ども連れのお母さん、老夫婦がゆっくりとパンを選ぶ光景がここにはあります。「ロクメイベイクス」は、ロードサイドのファストショップとは一線を画した居場所として、街の人々に心地よく存在している。

設計監理 ひとともり+HAP-guild (hare interior 大浦晴美)

照明設計 BRANCH LIGHTING DESIGN 

施工 co-n

グラフィックデザイン terminal Inc.

インドアグリーン キチ plants

グリーンショップデザイン キチ・アーキ