015_雪ケ谷の家 見学

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雪ケ谷の家 見学

建築家 谷口吉生が1975年に完成させた住宅の見学会に参加しました。谷口吉生37歳のデビュー作。RC造 壁式構造 旗竿敷地という不利な敷地条件。旗の部分は周辺を隣家に囲まれてしまう為、周囲を壁で囲いコートハウスとしています。家の内外の濃度が等価で作られていて外部は床、壁全てが150角のタイルで完全に割り付けられています。明るい庭。壁とタイルで構成された完全なる世界がそこにはありました。

谷口先生はニューヨーク近代美術館増築やその他公共建築を端正にそして全体からディテールまで完全に支配する巨匠。このデビュー作は住宅ながらも現在の公共建築に通貫する意志を強く感じました。建築とは都市ー個人を繋ぐものだという意志です。

今回の見学で私達ひとともりが目指すものとの違いも明確に感じ、自分達の目指す建築の在り方を再認識する良い機会となりました。

竿部分にゲート。この住宅には正方形が多用されている。

 

均質ながらも手造り感のある150角タイル。品があります。

 

 

隣地境界線上に囲われた壁の開口部から溢れる花。タイルと相まって世界観を作り出しています。

 

プランの書き方にも意志を感じます。内部建具は表現していません。タイルの割付をこのスケールで示しています。特に開口部にも貼り込んでいるのがよくわかる。

 

建築としての住宅。

大変勉強になりました。