Satomi Kiln

仙台 台の森にある陶芸家のアトリエ/教室+カフェのインテリアデザイン

積水ハウスより依頼を受け、インテリアデザインを担当しました。
住人は日本民藝館展で賞を取られている陶芸家の田代里見さん。以前住まれていた工房と密接しているご自宅に伺い、その思想に感動しました。里見さんは仕事と暮らしが一体化している。陶芸をする事は彼女が生きる事と同義なのです。特に食に関する器は美術館に飾られるものではなく暮らしの中で使われ真の価値が問われるもの。また息子さんがこの場所でカフェをされるという事で、もちろん器は全てSatomi Kiln製のものが使用されます。
全ては民藝の思想だと解釈しました。
そこで私達は家庭用のキッチンは不要としました。カフェを里見さんのダイニングルームとし、陶芸アトリエと教室の空間と一体化しました。ここは店でありアトリエであり教室であり家でもあります。(つまり積水ハウスの工事区分や賃貸借上の区分の解体でもありました)
家庭専用のキッチンがないというのは、普通ではあり得ないと思いますが、里見さんにとってはこれが自然なのです。
また積水ハウスの工業化住宅についても、美術館に飾られた器と同じようにならないよう考えました。極度に工業化された積水ハウスの鉄骨は工場で焼付塗装された軽量鉄骨です。ボルト穴の位置も企画化され予め穴加工がされ軽量化にも繋がっています。
業界のトップを走り高度にスリム化されたこのカッコ良さは通常ボードで覆われて見えなくなっています。勿体ない。
白磁を素のまま作品としている里見さんの美意識では、それらを覆い隠す事は不自然なことと考え、工業化そのものを表現するべく梁など軽量鉄鋼を露にしています。穴の沢山空いた鉄骨から植木や照明器具などを吊したり、積水ハウス専用のクリップでレースウェイを吊り下げ、作り立ての陶器を乾かす為の板を敷き込めるようにカスタマイズしています。
間仕切壁は白磁に寄り添う素材として無垢の木が良いと考え、大工の手仕事跡を感じる継手を見せた杉材を採用しました。
私達はこれらの設計図を書き上げ、現場はほぼSatomi Kilnの仲間によるDIYで行われました。
DIYなのでプロが創るようなディテールは難しいので細部に渡るクオリティーのコントロールは出来ませんが、使い手が工夫し愛情をかけたこの空間は唯一無二の空間となりました。
私達にとってもリリースポイントを変えた新たな設計手法の第一作目となりました。
インテリア設計 ひとともり 長坂純明 田所千絵
照明計画 NEW LIGHT POTTERY  永冨裕幸 奈良知寿

施工 Satomi Kiln(DIY)